先日、アクティブシニアさんで取材させていただいた、フラメンコギタリスト徳永武昭さんのコンサートに伺ってきました。世界で活躍される息子さんお二人「徳永兄弟」とは6年ぶりの共演とのことで盛り上がりを見せました。後半では、フラメンコダンサーの奥様も交え、家族4人揃ったパフォーマンスも披露。独創的な美しいギターの音色と、徳永さんと奥様の本当に嬉しそうな表情が印象的でした。
「ピカソの30秒」という小話があります。ピカソが市場を歩いていると、ある婦人が呼び止めた。彼女はピカソの大ファンで、絵を描いて欲しいという。快諾したピカソは、さらさらと絵を描き上げた。婦人は喜び、いくらなら絵を譲ってもらえるか尋ねた。
ピカソはこう言った。「このスケッチは100万ドルです」婦人は驚き、高すぎると言った。たった30秒で描いた絵が、どうして100万ドルもするのか尋ねた。するとピカソはこう答えた。「いいえ、30秒ではありません。私は、これまでに30年もの研鑽を積んできました。だから、この絵を描くのにかかった時間は、30年と30秒なのです」
5分で聴ける音楽は5分では作れません。30分で読める本は30分では書けません。30秒で描ける絵画は、一瞬では描けないのです。本当の価値とは何か。そこには意味や物語が存在しているはず。私が見た徳永一家の10分のパフォーマンスには、多くの挑戦、葛藤、そして愛情と喜び、それらすべてが年月をかけて昇華された美しい世界がありました。
編集長S
