木々達がひそやかに芽吹きの準備を始める2月。はるか昔の大学受験に思いを馳せます。
当時、東京の私大を受験するため、すでに関東の大学に就学していた姉のアパートを拠点とさせてもらっていました。
狭いアパートながらも綺麗にし、受験日には弁当を作って大学まで送ってくれた姉。シーフード入りの卵焼きの美味しさは忘れられません。しかし電車に乗りながら、持ち物や受験時の注意などをひっきりなしに話す姉に「うるさい!」と不機嫌な私。ナイーブな受験生をいいことに、有り難がることもなく邪険にしていたことを思い出します。
子供の頃から、私たち妹が不謹慎な言動をとると「渡辺家の恥!」とたしなめるような姉でした。しかし誰にでも優しく、正義を貫く姉への憧れは強く、吹奏楽、テニスと同じ部活を選び、そして同じように県外に進むという道を選択したように思います。『正しさ』とは。もちろん人によって違うことも多いでしょう。しかし大切なのはあるべき姿を常に自分に問い、答えを見つけようとすることだと思います。私の中のその大筋の部分に姉の影響があることは間違いありません。
今では、ズバズバとした物言いで姉を言い負かす私。と思いきや、次に会った時にはどこ吹く風で「すみちゃん、発酵食品とフルーツは毎日食べなさいね」なんて涼しい顔で言う姉にいらだちつつも、思わず笑ってしまうのでした。
編集長S
