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編集後記vol.43

 「人生には生きる価値があるわ、そこに笑いがある限り。」私の大好きな『赤毛のアン』の作者、ルーシー・モード・モンゴメリの言葉です。

思い返せば人生の中で一番苦しい時に私が心がけていたこと、それは日常の中に小さなよろこびや笑いを見つけ出すことでした。

無意識にやっていた、自分を守ろうとする本能だったのかもしれません。どんなに辛いと感じる時でも、小さな幸せは存在しているんだと思います。私たちが気づくことさえできれば。例えばそれは野原でよつばのクローバーを探すようなもの。大切なのは見つけようとする気持ちを引き出してあげることです。面白い本を見つけたこと。ドキュメンタリーを見て感動したこと。誰かが親切にしてくれたこと。

どんなことでもかまいません。自分の心をほんの少し明るくしてくれるものごとに出会えた時、少し笑えた自分に気づき、この世界で生きることも悪くないと思えるかもしれません。

これから始まる春。いつもの街や道もまた違った装いを見せてくれる季節。グリーンゲイブルズで、アンが名付けた様々な景色が浮かびます。里親の待つアヴォンリーに向かうリンゴ並木の馬車道『よろこびの白い道』。学校帰りにうやうやしく崇めんばかりに通った『すみれの谷』。木々から差し込む光や小川がある静かな散歩道『恋人の小径』。通り過ぎていたもの達が、名をつけることで素敵な意味を持ち、日常に小さな歓びを与えてくれるのです。そしてその心がやがて大きな幸せを運んできてくれるはず。明日を信じて、暖かい春を迎え入れましょう。

編集長S