新潟市中央区在住
江川 彰さん 雅号:蒼淵 (77歳)
新潟の下町に生まれる。父は書家 江川蒼竹。
大学卒業後、長岡で会社勤めを経験するが2年ほどで退職。実家で書道塾をしている父親の手伝いをしつつ書道の修行を始める。
現在は書道家 江川蒼淵として書道塾と県外の書道展にも足を運ぶ多忙な日々を過ごしている。
Q:江川さんはどんなお子さんでしたか?
大人に囲まれて育ったので、物静かな子どもだった。病弱でパッとしない勉強も出来ないダメ男だったね。学校の習字も字の上手いやつに代筆してもらっていたくらい(笑) 中学生になってから、それじゃあダメだと基礎体力を付けるためにバドミントンを始めたんだ。それから身体は丈夫になってきたかな。
Q:書の道を志したのは、何がキッカケでしたか?
大学時代、財団法人書壇院に通い基礎は習ったけど、家を継ぐ事は考えてなかった。父は、夜中まで生徒さんに指導していたから大変な仕事だと思っていた。卒業後、長岡の会社で営業をしていたんだけど、仕事がハードでね。体を壊すのではないかと不安に感じて辞めたの。世の中甘くないなと実感して、それなら書を真剣に打ち込もうと決めたんだ。実家の書道塾には当時書道家を志す人が沢山居てね。朝早くから夜中まで稽古に励む人の熱気が凄かった。そんな人達に追いつく為に、睡眠時間を削って1日約10時間10年間書道を頑張った。座り続けていたら筋肉が衰えて歩けなくなっちゃった。慌ててバドミントンを再開したよ(笑)
Q:江川さんにとって、書とは?
そこに書があって、書を書いてみたら面白かった。同じ文字でもその時の感動で姿が変わるね。筆の運びや墨の濃淡、空間の使い方でも文字が変わるね。決められた形があるのに、無限の可能性があるのが面白いね。生徒さんで90歳を超えてから県展に入選した凄い人が居るんだよ。
継続は力になるし、人生を積んできた人の書は味わいが出ると思うよ。なんて分からないけど、品数を揃えてお店を開け続けることですかね。今も休みは毎週火曜日と元日だけ。いつでもお客様をお待ちしていますよ。今年喜寿になるんだけど、これからも変わらずお店に立ち続けたいねぇ。息子が立派に後を継いでくれているけど、まだまだ私のお客さんの方が多いからね(笑)
「120歳まで元気に書をやっていたいんだ」と笑顔でお話される江川さん。どうぞ健康に気を付けて実現させてくださいね。
江川蒼淵書道塾
新潟市中央区東堀通13-3023
TEL:025-211-9888
「安遠」の文字。コロナ過に早く終息するよう願って書いたもの。